HAIしろくまツアーズスタッフ作成。アラスカ州アンカレジから、四季(二季?)折々の便りをお届けします。


by haishirokuma
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ムースに触れないでください。

今朝の新聞の記事。

フロリダから昨年9月にアンカレジに引っ越してきた人が、「念願のムースとの触れあい」を果たした映像がYouTubeで流れ、Fish & Game(野生動物保護やフィッシング、ハンティングの管理などを行うアラスカ州の役所)や一般市民からその行動を非難されている、というものだった。本人のお母さんもフロリダから電話をして、娘を大声で叱ったらしい。

実はこの映像、ムースを触った本人や家族ではなく、同じアパートに住んでいる他人が撮影したもので、本人は「ビデオを撮られているなんて知らなかった。『アラスカでムースを触ろうとしたCrazyな女性』呼ばわりされるのはいい気分ではない」と言っているとのこと。

そりゃあそうでしょうけどねえ。


冬も終わりかけのこの時期、この辺りのムースは冬の間の街暮らし(山は雪に覆われていてえさの小枝などを探すのが難しい)とえさ不足で気が立っている。そのムースに触ろうとするなんて、彼女は何ともなくて本当にラッキーだったが、非常識もはなはだしい、というのが非難の内容。運が悪ければムースに蹴っ飛ばされたり踏まれたりして大怪我をしていても全くおかしくない、のである。実際にムースに蹴っ飛ばされて亡くなった人もいるぐらいなのだ。

ムースに触ることは、ムースの怒りを買う恐れのある危険な行動であると同時に、ムースに対するハラスメント(迷惑行為)に該当する行動ということで、州の法律に触れる恐れもあるという。

私もつい数日前、拙犬の散歩のときに近所でムースに出くわし、横を通ろうか、それとも大回りして他の道を通ろうか、と逡巡した。今朝も通勤途中道路を横切っているムースを見た。それぐらい、アンカレジではムースは「身近な存在」なのである。

ムースに自分から近寄っていって触ろうとはユメユメ思わないけど、彼女の気持ちはわからなくはない。日本で生まれ育った私にとっては、街中をこんな大きな野生動物がうろうろしているということが、いまだに信じられないので、ムースを見かけたらつい写真を撮ってしまう。彼女は生まれついての動物好きで、「いつかムースと交流したい」と思っていたらしい。


実は我が家人も何年か前の冬に我が家の庭に現れた母ムースを触ってしまったことがある。

2階の窓から家族でこの親子の珍客を眺めていたのであるが、向こうも興味を示したのか、ゆっくり、でもどんどんとこちらのほうに向かって歩いてきた。そして、窓の外に出していた夫の手に鼻を寄せてきた(本人談)のである。

なんでしょうねえ、夫の腕が、小枝=食べ物にでも見えたんでしょうかねえ…。

本人に無断で撮影をして無断でインターネットで発表するのもどうなんだ?と思うが、いずれにしてもこの人、怖いもの知らずだなあ、無事でよかったなあ、と思ったことだった。


日本からのお客さんにもムースファンは多い。ムースや他の野生動物にばったり出くわした時には、どうぞ遠くからやさしく見守ってあげてください。
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by haishirokuma | 2012-03-30 07:30 | 小熊のAkko | Comments(0)